■PIED PIPER - the pillows

pillo 15PIED PIPER - the pillows
Release 2008/6/25

とうとうオリコンTOP10の常連組になりつつある
おっさんバンド、the pillowsのAVEX参入第二弾アルバム。

より尖ったサウンドに、よりキャッチーに、
そしてよりピロウズらしく。
POISON ROCK'N'ROLL…"ロックンロール中毒者"に
送る轟音アルバム。

the pillows - PIED PIPER


オリジナルアルバム通算15枚目、ベストなど企画盤を含めると20枚目に達する記念すべきアルバム。
先行シングルと、前々作MY FOOTのキャッチーでハッピーな流れを忠実に汲んだ作品になってます。


ただし全体を通した世界観としては、オルタナティブでストレンジャーな永遠の孤独を歌う
山中さわおの独創性はもちろん健在。
淋しい愛と廃退的な薄暗い世界に潜みながら、一筋の光を目指して走り続ける彼の最近のスタイルが
確立された形となって表れています。

どこに行こうか みんな連れて行くって決めたんだ 悪いけど

表題曲PIED PIPERのこの言い回しこそが、彼の心境を一言でまとめているのではないでしょうか。




そしてバンドサウンドの方も表題曲だけで分かる、轟音サウンド。
前に前に主張しながらバリバリ鳴り捲る2人のギター、SMILE以来のストレートなギターロックになっています。
あの頃と少し違うのは、さわおが最近各メディアで散々褒めちぎっている若手ロックバンド、
ELLEGARDENストレイテナーなどから受けた影響が手にとって分かると言う事。
若いロックファンにも受け入れられやすい率直なアレンジになっています。

前作W!W!W!で引っ込んだかと思われたそのポップセンスも何事もなかったのように復活、
歌詞もメロディラインもいかにもピロウズらしい曲がびっしりとつまっています。
唯一新機軸と言えるその豪快なギターサウンドから、今作はロキノン厨にウケる一枚かも。




アルバム一枚通して40分無いという短さの中で、彼らのポピュラリティーなセンスが余すことなく
詰め込められた爽快な仕上がりになっています。
個人的には、PENALTY LIFE以降では一番好きなアルバムかな。
と今は思っているのですが、聴きやすく受け入れられやすい分飽きが早く来ないかちょっと心配。

その辺が賛否両論を巻き起こすかな?とも思いますが、
先行シングル3枚がいいなあと感じた人には決して損させないアルバムになってますよ。



総評 ★★★★★


↓全曲レビューは続きをどうぞ!




この色は一押し曲です。



1. PIED PIPER

PIED PIPERとはハーメルンの笛吹き男のこと。
時代なんて関係ない、俺らなりのクレイジーポップワールドに連れて行くぜ、悪いけど。と意気揚々と
声を荒げるストレートなギターロック。
良くも悪くもピロウズらしい、キラーチューン一歩手前のポップスで、
同じような表題曲のMY FOOTほどのパンチ力は残念ながらありません。



2. New Animal

アルバム先行シングルだけあって、全く浮つくことなく完璧にアルバムに溶け込んでます。
シングルの時から変わらないギターの爆音は導入に相応しい。
Peeちゃんの低音コーラスがカッコいい。 →シングル時レビュー



3. No Surrender

アルバム曲中では一番キャッチーなアップテンポ。
歌詞も曲調も底抜けに明るくかなり安直な出来で、気軽に聴くことができます。
語句が多すぎてボーカルがちょっと詰まり気味なんですが、この曲調で持ってなんで英詩じゃないんでしょ。



4. Last Holiday

「明日で世界が終わるなら すぐにキミに会いたい」だなんてお決まりのロックバラードでァゥィェソング。
この救いのない空気感こそ正にピロウズ、終わりの近いラブソングです。
2分半というあっという間の短さで歌が終わるのですが、そこからの盛り上がりが熱い。
演奏で見せてくれる曲は最近少なかった気がするので新鮮です。



5. Tokyo Zombie (The knock came at dead of night)

インスト。東京バンビ→バンビ→鹿→鹿野→鹿野氏ね→バンビ氏ね→ゾンビ …なんて他意はありません。
おっとりとした出だしから予定調和的に中盤からテンポアップ、今作を象徴する尖ったギターサウンドにて
スピード感を最高に演出、インストながら他の曲以上にこだわりを魅せてくれる楽曲です。



6. Across the metropolis

Tokyo Bambiに収録されていたC/W曲。
アルバム中でも特に退廃的で古臭い質感が必要以上に孤独と淋しさを演出し、思ったより
浮いていないどころか前後の空気を統一するアクセントになってます。繋ぎ曲。



7. Purple Apple

怒髪天コーラスなのでまたネタ曲かと思うと、イントロから巡るめくスピード感。
英詩なのでリズム感が他とは段違い、ジェットコースターに乗ってるかのようなスリルが生まれる
サビはこのアルバム中のハイライト。カッコいいです。
でもBメロのコーラス、ふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁ♪は何とかならないの?w



8. Tokyo Bambi

スカパラのホーンとセッションしたシングル曲。
歌謡曲チックな歌い回しが今までになくクセになる、カラオケにピッタリな楽曲になってます。
幸せいっぱいなァゥィェ〜〜は一緒に叫びたくなりますね。 →シングル時レビュー



9. Ladybird girl

恋が生まれる前の、初期衝動を歌った爽快なシングル曲。
いつものことながら、おっさんの癖にテーマが青臭すぎる正に青春ポップス。
リズム隊の中でベースが全ての土台となっていて、正式メンバーでないはずの淳が一番目立ってます。



10. That's a wonderful world (song for Hermit)

旧友、Hermitの岩田氏に送る懐かしい青春を歌った思い出ソング。
バラード調でしんみり歌い始めた後、軽快なロックンロールに切り替えシャカシャカと
愉快に昔を振り返ります。それは岩田氏へのメッセージを通して、古くからのファンへの感謝の言葉の
ようにも受け取れてちょっとじんわり来ますね。
キムディールやらカメレオンやら懐かしい単語が飛び散っているのもその一因になってます。



11. POISON ROCK'N'ROLL

最後は恒例の、英詩によるひっそりと毒舌ソング。
「if you're dissatisfied, disappear.」(もし文句があるなら消えてくれよ) これこそさわお節!
キャッチーでハッピーでもやっぱりpillowsらしさは微塵も失っていませんね。
メロディは割と凡庸ですが I'll do a rock'n'roll!の言い回しが中毒性高し。



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