ライブレポ
くるりの20年、僕の10年
くるりが20周年。
ブログも10周年、くるりをがっつり聴き出してから10年ちょっと?ぐらい
くるり含む97'四天王がロキノンで騒がれた頃には、僕はロックどころか音楽に対してもまともに興味がなく、はじめて彼らの曲を聴いたのは確かJapan CountdownのEDで流れていた「ロックンロール」。
カマクラをバックに打ち鳴らされるオルタナ・ミュージックに、当時はハマりきることはなかったものの、フジの赤黄色や100sのHoneycomと共に、その後もずっと脳内に残り続けるメロディーラインでした。
その後はシングルや過去のアルバムを漁りつつ、爆発したのはベストアルバムを聴いてからかな。
それからは発表される作品には目を通すようになって、RSRではじめてライブを観て、以後10年ずっとくるりの音楽が身に染みることになりました。
このブログで取り上げた音楽で、今も聴いている音楽は実はたぶん1割程度だと思うのですが、くるりはその1割に入るどころか今では日本で一番好きなほど思い入れが強いバンド。
僕は一つのことをやり続けたり、音楽だったら一つのジャンルを聴き続けられない性分なんですよね。
そんな気まぐれに答えるのは、やはり気まぐれで流動性が強いくるりの音楽性。
ロック、ポップス、ブルース、民謡、テクノ、R&B、ヒップホップ、オーケストラ…いつも自分のやりたい音楽だけを自由にこなしながら、かつクオリティを保てるバンドは彼らだけです。
ブログでも10年間同じことを書いてると思うんですが、やはり礎は岸田が綴るメロディーライン。
10年経ってもその才能は保たれるどころか音源が発表される度に進化と変化を続けていることが凄く嬉しい。
「思い出一つじゃ やりきれないだろう」
正にその通りで、昔好きだった曲を聴くためだけにライブに足を運ぶのも悲しくて、申し訳なくて二の足を踏むんですよ。
やっぱり過去でなくて今を生きる僕らだから、過去もいいけどやっぱり今が最高!てなライブだけ体感したい。
そんなワガママな要求に耐えてくれる数少ない存在だったのが、すごいぞくるり、だったわけです。
とここまでが前フリで、ここからがライブレポになります。
ベストアルバムツアー!シングルコレクション!!名曲だらけの一夜に期待が高まる1曲目は「夜行列車と烏瓜」
知らん知らん。ごめんインディーズまで聴いてるガチ勢じゃなくて…完全忘れてたけど「好きなアーティストなら全部の曲を知ってて当然」がくるりのモットーなんだよね
というかベストツアーだけどツアー名は「チミの名は。」って時点で察するべきだったんだけど、これは「ベストアルバムのツアー」でなくて「くるりの20周年のツアー」なんだと1曲目で理解。これはシングル曲少なそうだぞ!!
3曲目は2枚目のベストからもハブられた超影の薄いシングル曲「愉快なピーナッツ」
これはツアーTの裏にピーナッツがプリントされてたから、演るのは分かってた
しかし久しぶりすぎに聴いたら、特にMCでも拾われた歌詞
「そうだろ 僕の人生は
結局 暇つぶしみたいだから」
がなかなかホロリとさせるじゃないか。ここでようやくあー今くるりを観てるんだなーと感慨気持ちに入ってきて目頭熱くなってきた
続いて「BIRTHDAY」!これ10年聴きたくて待ってたんだよー
エバーグリーンな味わいは年月を経ても生で聴いても変わらず感激
てか社長のコーラス、年々劇的に上手くなってない…?ファンファンいらない可能性…?
「everybody feels the some」
これもアルバムツアー当時ライブに行ってなくて聴いてなかった曲だ
めっちゃカッコよくて聴けて嬉しい…
岸田と社長のMC。
「ベストアルバムツアーだけど、ここまででシングル曲、3曲しかやってません」
「まあまあ、くるりはアルバム曲も味わいがあるというか、個性の強い子たちが多いので」
「最初は今回のツアー、全部シングル曲にしようかって話しも出てたけど、話し合って今の形になりました」
「琥珀色の街、上海蟹の朝」
岸田の歌い方、ラップがヘロヘロすぎてヤバい 原曲を忘れるぐらいに気が抜けている
しかしどんなボーカルどんなスタイルでも名曲ぶりを崩さないのが名曲たる所以
WESNの後継者、21世紀のブギバに相応しいのはこの上海蟹だと思います
「Superstar」
いやあこれが聴きたかった!
BIRTHDAYと同じくライブでやる頻度そこまで多くなかったから…
「誰もいない芝生で 全部忘れてしまうよ
何処へ行ってもいいよ さよならスーパースター」
この10年間で忘れていたこと、忘れたフリをしていたこと、振り返るまいとしていたこと…
この歌詞を聴いた瞬間に脳内にすべてフラッシュバックする思いで、落涙を禁じませんでした。
「ロックンロール」
からのロックンロールは反則だろ!
本当にすべてが好きな曲。
MC。
「名古屋は昔インディーズの頃から、クラブロックンロールってとこでやらせていただいていて…」
「でも客層も変わってくもんだなあ。名鉄の話とか通じへんやろ?」
「そのインディーズの時に奢ってもらった、ひつまぶしが美味しくて…こんな素敵なものがあったんか!ていう」
「でも地元の人らは普段食べへんのやろ?ひつまぶし」
「味噌カツは?食べへんの」
「きしめんは?食べへんのか」
「自分ら何も食べへんな!」
「あ、でも俺あんかけスパ食べたことある。1回だけ」
「どんなんやった?」
「スパゲティにあんがかかってるな、っていう…」
「あー」
「街」
シングルとアルバム曲を織り交ぜながら、ラストはまさかの街で終わり。
これも一回聴きたかった、ていうか冒頭の「こんんんんんのぉぉぉぉぉ」
のフレーズと顔芸だけで全部持ってかれた。その数曲前まで何歌ってたか忘れた
てか他のとこのセトリ見ると虹が削られてるんだけど。。。
なんか前も名古屋で虹削られてなかった?被害妄想??
アンコールは岸田が鹿児島おはら節と太陽のブルースを弾き語り、社長の物販タイム
「今回のツアーTは、ロゴも任天堂っぽい感じで」
「なんかマリオというか、あれや、超魔界村っぽくない?知らんか。レッドアリーマー」
「マリオと言えば訴えられたらしいですよ。マリカー」
「マリカー?」
「マリカーの車で。あの道を走っとてるやつ」
「あーあれか。そんなん言ったらうちの「チミの名は。」てツアー名大丈夫なん?訴えられへん?」
「一応ラッドのベースの子には謝っといた。ごめんね!って」
「おかしない??映画の配給会社じゃなくてラッドの子に謝るの」
「ワールズエンド・スーパーノヴァ」
クリフのドラムを生で聴いたのははじめてだったんですが、むっちゃ力強いですね
一回一回の振動が強すぎるので、途中の曲でもドラムの音だけやたら響いてきたりして、バンドとしてのバランスから脱退してもらったのかなあ、、
とか思ったけど、そのパワーから繰り出されるワールズエンドは至高
人力テクノの極致を垣間見た気がします、この日1番心地よい音に揺られまくった
最後はリバグラのあ、よいしょー!!で終わり。
こうして書き出すとやっぱりシングルが好きなニワカもんですが、それでもくるりが好きだしやっぱ最高!
本当にどんなジャンル、どんな音楽も取り込んで、その多様性こそがくるりの20年を支えてきたということが身に染みて分かるライブでした。
一概にくるりファンと言っても、捉え方が全然違う、観る角度によってまったく姿形が変わる変態バンド。
この先も30年40年と変わらずついていくので、ずっと変わり続けてほしい。
くるりと自分自身の過去と現在が交差しながら、そう願う一夜でした。
最後に、、、ツアーTに書かれてたカンガルーどこ行った???
ブログも10周年、くるりをがっつり聴き出してから10年ちょっと?ぐらい
くるり含む97'四天王がロキノンで騒がれた頃には、僕はロックどころか音楽に対してもまともに興味がなく、はじめて彼らの曲を聴いたのは確かJapan CountdownのEDで流れていた「ロックンロール」。
カマクラをバックに打ち鳴らされるオルタナ・ミュージックに、当時はハマりきることはなかったものの、フジの赤黄色や100sのHoneycomと共に、その後もずっと脳内に残り続けるメロディーラインでした。
その後はシングルや過去のアルバムを漁りつつ、爆発したのはベストアルバムを聴いてからかな。
それからは発表される作品には目を通すようになって、RSRではじめてライブを観て、以後10年ずっとくるりの音楽が身に染みることになりました。
このブログで取り上げた音楽で、今も聴いている音楽は実はたぶん1割程度だと思うのですが、くるりはその1割に入るどころか今では日本で一番好きなほど思い入れが強いバンド。
僕は一つのことをやり続けたり、音楽だったら一つのジャンルを聴き続けられない性分なんですよね。
そんな気まぐれに答えるのは、やはり気まぐれで流動性が強いくるりの音楽性。
ロック、ポップス、ブルース、民謡、テクノ、R&B、ヒップホップ、オーケストラ…いつも自分のやりたい音楽だけを自由にこなしながら、かつクオリティを保てるバンドは彼らだけです。
ブログでも10年間同じことを書いてると思うんですが、やはり礎は岸田が綴るメロディーライン。
10年経ってもその才能は保たれるどころか音源が発表される度に進化と変化を続けていることが凄く嬉しい。
「思い出一つじゃ やりきれないだろう」
正にその通りで、昔好きだった曲を聴くためだけにライブに足を運ぶのも悲しくて、申し訳なくて二の足を踏むんですよ。
やっぱり過去でなくて今を生きる僕らだから、過去もいいけどやっぱり今が最高!てなライブだけ体感したい。
そんなワガママな要求に耐えてくれる数少ない存在だったのが、すごいぞくるり、だったわけです。
とここまでが前フリで、ここからがライブレポになります。
ベストアルバムツアー!シングルコレクション!!名曲だらけの一夜に期待が高まる1曲目は「夜行列車と烏瓜」
知らん知らん。ごめんインディーズまで聴いてるガチ勢じゃなくて…完全忘れてたけど「好きなアーティストなら全部の曲を知ってて当然」がくるりのモットーなんだよね
というかベストツアーだけどツアー名は「チミの名は。」って時点で察するべきだったんだけど、これは「ベストアルバムのツアー」でなくて「くるりの20周年のツアー」なんだと1曲目で理解。これはシングル曲少なそうだぞ!!
3曲目は2枚目のベストからもハブられた超影の薄いシングル曲「愉快なピーナッツ」
これはツアーTの裏にピーナッツがプリントされてたから、演るのは分かってた
しかし久しぶりすぎに聴いたら、特にMCでも拾われた歌詞
「そうだろ 僕の人生は
結局 暇つぶしみたいだから」
がなかなかホロリとさせるじゃないか。ここでようやくあー今くるりを観てるんだなーと感慨気持ちに入ってきて目頭熱くなってきた
続いて「BIRTHDAY」!これ10年聴きたくて待ってたんだよー
エバーグリーンな味わいは年月を経ても生で聴いても変わらず感激
てか社長のコーラス、年々劇的に上手くなってない…?ファンファンいらない可能性…?
「everybody feels the some」
これもアルバムツアー当時ライブに行ってなくて聴いてなかった曲だ
めっちゃカッコよくて聴けて嬉しい…
岸田と社長のMC。
「ベストアルバムツアーだけど、ここまででシングル曲、3曲しかやってません」
「まあまあ、くるりはアルバム曲も味わいがあるというか、個性の強い子たちが多いので」
「最初は今回のツアー、全部シングル曲にしようかって話しも出てたけど、話し合って今の形になりました」
「琥珀色の街、上海蟹の朝」
岸田の歌い方、ラップがヘロヘロすぎてヤバい 原曲を忘れるぐらいに気が抜けている
しかしどんなボーカルどんなスタイルでも名曲ぶりを崩さないのが名曲たる所以
WESNの後継者、21世紀のブギバに相応しいのはこの上海蟹だと思います
「Superstar」
いやあこれが聴きたかった!
BIRTHDAYと同じくライブでやる頻度そこまで多くなかったから…
「誰もいない芝生で 全部忘れてしまうよ
何処へ行ってもいいよ さよならスーパースター」
この10年間で忘れていたこと、忘れたフリをしていたこと、振り返るまいとしていたこと…
この歌詞を聴いた瞬間に脳内にすべてフラッシュバックする思いで、落涙を禁じませんでした。
「ロックンロール」
からのロックンロールは反則だろ!
本当にすべてが好きな曲。
MC。
「名古屋は昔インディーズの頃から、クラブロックンロールってとこでやらせていただいていて…」
「でも客層も変わってくもんだなあ。名鉄の話とか通じへんやろ?」
「そのインディーズの時に奢ってもらった、ひつまぶしが美味しくて…こんな素敵なものがあったんか!ていう」
「でも地元の人らは普段食べへんのやろ?ひつまぶし」
「味噌カツは?食べへんの」
「きしめんは?食べへんのか」
「自分ら何も食べへんな!」
「あ、でも俺あんかけスパ食べたことある。1回だけ」
「どんなんやった?」
「スパゲティにあんがかかってるな、っていう…」
「あー」
「街」
シングルとアルバム曲を織り交ぜながら、ラストはまさかの街で終わり。
これも一回聴きたかった、ていうか冒頭の「こんんんんんのぉぉぉぉぉ」
のフレーズと顔芸だけで全部持ってかれた。その数曲前まで何歌ってたか忘れた
てか他のとこのセトリ見ると虹が削られてるんだけど。。。
なんか前も名古屋で虹削られてなかった?被害妄想??
アンコールは岸田が鹿児島おはら節と太陽のブルースを弾き語り、社長の物販タイム
「今回のツアーTは、ロゴも任天堂っぽい感じで」
「なんかマリオというか、あれや、超魔界村っぽくない?知らんか。レッドアリーマー」
「マリオと言えば訴えられたらしいですよ。マリカー」
「マリカー?」
「マリカーの車で。あの道を走っとてるやつ」
「あーあれか。そんなん言ったらうちの「チミの名は。」てツアー名大丈夫なん?訴えられへん?」
「一応ラッドのベースの子には謝っといた。ごめんね!って」
「おかしない??映画の配給会社じゃなくてラッドの子に謝るの」
「ワールズエンド・スーパーノヴァ」
クリフのドラムを生で聴いたのははじめてだったんですが、むっちゃ力強いですね
一回一回の振動が強すぎるので、途中の曲でもドラムの音だけやたら響いてきたりして、バンドとしてのバランスから脱退してもらったのかなあ、、
とか思ったけど、そのパワーから繰り出されるワールズエンドは至高
人力テクノの極致を垣間見た気がします、この日1番心地よい音に揺られまくった
最後はリバグラのあ、よいしょー!!で終わり。
こうして書き出すとやっぱりシングルが好きなニワカもんですが、それでもくるりが好きだしやっぱ最高!
本当にどんなジャンル、どんな音楽も取り込んで、その多様性こそがくるりの20年を支えてきたということが身に染みて分かるライブでした。
一概にくるりファンと言っても、捉え方が全然違う、観る角度によってまったく姿形が変わる変態バンド。
この先も30年40年と変わらずついていくので、ずっと変わり続けてほしい。
くるりと自分自身の過去と現在が交差しながら、そう願う一夜でした。
最後に、、、ツアーTに書かれてたカンガルーどこ行った???
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音楽
流動体について - 小沢健二
実は当ブログは来月で10周年を迎えます!!
と言って半分以上休止状態みたいなものなのに10周年もないもないですが、椎名林檎みたいなものです。
記念してちょくちょく記事を上げるようにしたいです。
今回取り上げるのは10周年なんて目じゃない19年ぶりのオザシングルについて。
19年ってやべえよ、ある光の時に生まれた子どもがもう成人すんじゃん。
しかし19年という時代の流れを感じさせないクオリティに溢れる楽曲です。
とりあえず球体の奏でる音楽をリバイバルしたジャケットからしてもう神。
曲としては2016年の魔法的ツアーで披露済みで、瞬くような疾走感でライブ中にも一際印象に残った楽曲でした。
小沢健二の曲も詞も、いつまでも時代を感じさせないのは本当に素晴らしいなあ。
長年の沈黙を経て確実に進化しているようで、フリッパーズの頃から根は何も変わってないように思える。
変わったと思えるのは、詞の密度かな?
言葉詰めすぎ凝りすぎ、現代においてここまで気合入れて歌詞を書く詩人がいるだろうか?
よっぽどひm…伝えたい思いがありすぎたんだろうなあと思います。
もしもあの時こうしていたなら…平行線の世界を願い、それでも日々の生活の中でできることといえば、自分が信じる「良いこと」をすることぐらい。
日々を愛するというオザケン不動のテーマの中に
「ほの甘いカルピスの味が不思議を問いかける」や
爆発する君のアムールを彷彿とさせる「素敵に炸裂する蜃気楼」などこれでもかというばかりのオザケン節祭り。
つーか詞だけで成り立つぐらい濃すぎマジで。
曲の方もここにきて最速BPMを更新してくる辺り、制作意欲そのものは衰えてないんだなあと思います。
と言うか直球に言ってこの曲好きです。めちゃくちゃ好きすぎて困るぐらい。
もしも 間違いに気がつくがなかったのなら?
並行する世界の毎日
の下りで理由も分からず目に熱いものがこみ上げた魔法的ツアーの瞬間を、音源を聴いて思い出し再び同じ思いがしました。
ある光→東京の街が奏でる→フクロウの声が聞こえる
がアーバンブルースでエバーグリーンな18年越しの3部作だと勝手に決めつけているんですが、その平行する世界から突如やってきたような、オザケンの新たなる代表曲の誕生でございます。
近年の彼の活動スタイルが、アーティストが披露する楽曲のすべてが音源になるという前提そのものに疑いを投げつけるものでありますし、音源化して繰り返されないが故に、一度見た印象がまるで白昼夢だったかのように永遠に脳内に住み着くような思いがあるので個人的には賛同の意思が強かったりしますが、しかしだからこそ、こうして音源として手元に残って何度も出会うことのできる喜びとは、また格段のものがありますね…。
フェスやテレビで宣伝する→アルバム出す→ツアーする→ツアーグッズで利益を出す→最初に戻る…
というビジネスアンドビジネスな活動スタイルはもう時代遅れ、音楽とはもっと自由であるべき…なんでしょうけど、利益を離れて自由に音楽活動できるアーティストなんかどれだけいるものやら。
ライブも数年に1回でそのライブも映像化しない新曲も音源にならない、19年ぶりのシングルどころかWEB1.0みたいなチャットで祭りになる…とかそんな優雅な生活できるのは「小沢健二だから」ってだけよ?!!
他の人間がこんなんしてたら秒殺で野垂死にっすわ。
しかしそれを踏まえてやはりYMOとかYMOチルドレンとか宇多田とか、生活にある程度余裕があるのか、超スローーーミングで自分のやりたい音楽を自由気ままにやってる人たちの音楽の方が、生活かかっているバイトかけもちのバンドマンよりよっぽど制作環境もクオリティも段違いだと言うのが何とも皮肉で、でも結局音楽なんて娯楽だから、だからこそ単純にいい音楽と思える前者の彼らを音楽を聴いてしまう。
結局世の中お金、お金で生まれる余裕こそがすべてなんですね…。
と後半は話が飛躍してしまいましたが、とにかくこの1曲の音源だけで、ここ数年のどんな音楽を聴くよりも確かな手応えを感じてしまいました。信者乙ですね。
気が向いたらまた更新します。
★×100億点
↓過去のレビュー
LIFE - 小沢健二
と言って半分以上休止状態みたいなものなのに10周年もないもないですが、椎名林檎みたいなものです。
記念してちょくちょく記事を上げるようにしたいです。
今回取り上げるのは10周年なんて目じゃない19年ぶりのオザシングルについて。
19年ってやべえよ、ある光の時に生まれた子どもがもう成人すんじゃん。
しかし19年という時代の流れを感じさせないクオリティに溢れる楽曲です。
とりあえず球体の奏でる音楽をリバイバルしたジャケットからしてもう神。
曲としては2016年の魔法的ツアーで披露済みで、瞬くような疾走感でライブ中にも一際印象に残った楽曲でした。
小沢健二の曲も詞も、いつまでも時代を感じさせないのは本当に素晴らしいなあ。
長年の沈黙を経て確実に進化しているようで、フリッパーズの頃から根は何も変わってないように思える。
変わったと思えるのは、詞の密度かな?
言葉詰めすぎ凝りすぎ、現代においてここまで気合入れて歌詞を書く詩人がいるだろうか?
よっぽどひm…伝えたい思いがありすぎたんだろうなあと思います。
もしもあの時こうしていたなら…平行線の世界を願い、それでも日々の生活の中でできることといえば、自分が信じる「良いこと」をすることぐらい。
日々を愛するというオザケン不動のテーマの中に
「ほの甘いカルピスの味が不思議を問いかける」や
爆発する君のアムールを彷彿とさせる「素敵に炸裂する蜃気楼」などこれでもかというばかりのオザケン節祭り。
つーか詞だけで成り立つぐらい濃すぎマジで。
曲の方もここにきて最速BPMを更新してくる辺り、制作意欲そのものは衰えてないんだなあと思います。
と言うか直球に言ってこの曲好きです。めちゃくちゃ好きすぎて困るぐらい。
もしも 間違いに気がつくがなかったのなら?
並行する世界の毎日
の下りで理由も分からず目に熱いものがこみ上げた魔法的ツアーの瞬間を、音源を聴いて思い出し再び同じ思いがしました。
ある光→東京の街が奏でる→フクロウの声が聞こえる
がアーバンブルースでエバーグリーンな18年越しの3部作だと勝手に決めつけているんですが、その平行する世界から突如やってきたような、オザケンの新たなる代表曲の誕生でございます。
近年の彼の活動スタイルが、アーティストが披露する楽曲のすべてが音源になるという前提そのものに疑いを投げつけるものでありますし、音源化して繰り返されないが故に、一度見た印象がまるで白昼夢だったかのように永遠に脳内に住み着くような思いがあるので個人的には賛同の意思が強かったりしますが、しかしだからこそ、こうして音源として手元に残って何度も出会うことのできる喜びとは、また格段のものがありますね…。
フェスやテレビで宣伝する→アルバム出す→ツアーする→ツアーグッズで利益を出す→最初に戻る…
というビジネスアンドビジネスな活動スタイルはもう時代遅れ、音楽とはもっと自由であるべき…なんでしょうけど、利益を離れて自由に音楽活動できるアーティストなんかどれだけいるものやら。
ライブも数年に1回でそのライブも映像化しない新曲も音源にならない、19年ぶりのシングルどころかWEB1.0みたいなチャットで祭りになる…とかそんな優雅な生活できるのは「小沢健二だから」ってだけよ?!!
他の人間がこんなんしてたら秒殺で野垂死にっすわ。
しかしそれを踏まえてやはりYMOとかYMOチルドレンとか宇多田とか、生活にある程度余裕があるのか、超スローーーミングで自分のやりたい音楽を自由気ままにやってる人たちの音楽の方が、生活かかっているバイトかけもちのバンドマンよりよっぽど制作環境もクオリティも段違いだと言うのが何とも皮肉で、でも結局音楽なんて娯楽だから、だからこそ単純にいい音楽と思える前者の彼らを音楽を聴いてしまう。
結局世の中お金、お金で生まれる余裕こそがすべてなんですね…。
と後半は話が飛躍してしまいましたが、とにかくこの1曲の音源だけで、ここ数年のどんな音楽を聴くよりも確かな手応えを感じてしまいました。信者乙ですね。
気が向いたらまた更新します。
★×100億点
↓過去のレビュー
LIFE - 小沢健二
音楽BEST
2016ベスト
映画ベスト
1.この世界の片隅に
今まで観た邦画でベスト。
映像が、脚本が、音楽が、心に直接触れてくるようなのんの声が。その時代に生きる人々の生き様が。
時間は歴史となって、知ってしまっては戻れない、語り継がなければいけない声を教えてくれる。
今この日本に生きてこの作品に触れないことってある?120分の中に息づく、生きていくことのすべて。
2.FAKE
佐村河内守と森達也という胡散臭さのプロ同士がタッグを組んで、「人生の内、信じるに値するものとは何か?」を問いかけてくるドキュメンタリー。
僕らがこれまでの人生で信じていた概念はすべて破壊され、もう一度、身の回りの信頼について考えさせられる一作。
佐村河内の萌え映画としても普通に面白い。
3.ひそひそ星
園子温がガチでタルコフスキーの「鏡」を撮ったら。
人の生き死には影絵のようなものだ。 美しい星、美しい生活、ひそひそ声で語られるこの国の在り方について。
園の中でもベストに近い作品だと思うんだけど一切評価聞かないね!
4.リップヴァンウィンクルの花嫁
個人的にはFAKEと対になる映画。
嘘や事実は関係ない、自分が信じることを選択すればそれが「真実」であり、幸福に生きる唯一の方法なのだと教えてくれる。
黒木華と綾野剛とCoccoのアンサンブル最高すぎる。
岩井俊二第二の黄金期は止まらない。
5.兵士A
七尾旅人の2015年のライブ作品ながら、この映像と音楽とが語るメッセージは映画と何一つ変わらない。
旅人がガチの天才であり狂人であることを垣間見る3時間。
この作品以外で音源化されてない新曲のクオリティどれもが異常過ぎる。
6.シン・ゴジラ
庵野秀明が語る、震災後の日本へのアンサーソング。
彼が被災で傷ついたセンチメンタルな作品がQであり、遠い昔の日本を思った風立ちぬを経て、ゴジラとゴジラという災厄に立ち向かう人々の力を借りて生きる活力を取り戻した、3部作の最終章。
エンタメとしても普通に最高。
7.ロブスター
キチガイな世界観でキチガイ達が踊って生きる。
ゴダールのウィークエンドを思い出すブラックでシュールな笑い、後味の悪さとモヤモヤとが余韻を残す奇才ヨルゴス監督の本気。
今年の洋画1番。
8.レヴェナント
イニャリトゥ×プリオ×ルベツキのアンサンブルが成す極上の映画体験。
教授の仰々しい音楽ありプリオ劇場あり熊ちゃんありで見所多すぎ。
その中でイニャリトゥの作家性も過去最高に出てて、彼の過去作の中でもトップクラスの出来。
9.ザ・ビートルズ THE EIGHT DAYS A WEEK
人類史上最大のバンドが残した軌跡。
全人類の音楽の進化を引き受けるには、4人という個人のキャパではどうしようもなかったお話だ。
劇中に流れる音楽は勿論どれも最高だが、最後に屋上で清々しく歌うジョンの姿が忘れられない。
10.サウルの息子
アウシュビッツの有り様をゾンダーコマンドの1人称視点で撮った恐るべき映画。
その着眼点と編集には、他のどんな映画も寄せ付けない存在感がある。
さあ、あの眼差しと目が合ってしまった「サウルの息子」である僕らはこの先、何を語り継いで生きていくべきなのか?
音楽ベスト
1.Blonde - Frank Ocean
R&Bという枠組みをとうに越え、人類が迎えた新たな到達点。どの曲もどんなシーンに合う極上の音楽、居心地良すぎる。
歌モノもどれも最高だけど、1番好きなのは「Be Yourself」と「Futura Free」のトラック。
宇宙から聴くラジオのような温かみ、「ゼロ・グラビティ」観ながら聴きたい。
2.Fantôme - 宇多田ヒカル
R&B要素を復帰させつつ、独自の音楽性をより深化させ帰ってきたヒカル。
道もともだちも通り雨も忘却も、そして桜流しもトラック良すぎる。
死は別れではない、見えなくなっただけでそこにいるとハッキリと語り上げる。
いつか死ぬとき手ぶらがベスト。
3.この世界の片隅に オリジナルサウンドトラック - コトリンゴ
まず、この傑作のサントラをコトリンゴが成し遂げたという事実が嬉しすぎる。
「すずさん」の音色が優しすぎて染みる。
「悲しくてやりきれない」は、2016年のベストトラックなのは言わずもがな。
4.天声ジングル - 相対性理論
自分の中で相対性理論がここまで大きな存在になるとは誰が予測できたか。
えつこの声とSFの親和性があまりにも高すぎて、最高のSF・ロックアルバムが生み出されてしまった。
ケルベロス→ウルトラソーダの流れが中毒性ありすぎる上に泣ける。
5.SPARK - 上原ひろみ featuring Anthony Jackson & Simon Phillips
「VOICE」の時にはそこまでハマらなかったんだけど、むちゃくちゃ進化してて1曲めのSparkで一瞬で虜になってしまった。
アルバムだけでも凄いんだけど、これでもライブの迫力の100分の1にも届いていないという事実、、!
6.22,A Million - Bon Iver
エレクトロあり、北欧あり、つまり何でもありで個人的には2ndよりもポップで馴染みやすかった作品。どのトラックも破壊力あったり癒されたり振れ幅最高。
むちゃくちゃライブ観たいな。
7.META - METAFIVE
稀代の才能が集結した21世紀のYMO。
ロックアルバムにしては人材がオーバーワークすぎないかと思いつつ曲のクオリティはほぼ最強。なんだかんだドンムー最強。
ミニアルバムは意外と旨味のない曲達でこのフルアルバムでやりたいこと詰め込んだんだなって感じはする。また会おう!
8.Sing with me - 坂本美雨 with CANTUS
長年就寝前に聴いていたカヒミの「NUKKI」から、その役目を奪ったアルバム。
聴いた回数だけなら今年1番。
20分程度ながら子守唄としての完成度がハンパない。美雨が歌う「星めぐりの歌」を聴ける時代が来るとはねえ。
9.The Colour in Anything - James Blake
ジェイムスも2ndより今年の1枚のが好き。
1stのあのビートが帰ってきた!!曲数ばかり多くてとりとめなくても、一部のダンストラックの破壊力だけであまりある。
Bon Iverとスプリットツアーとかやってくれまいか。。
10.DANCE TO YOU - サニーデイ・サービス
「きみがいないことは きみがいることだなぁ」という歌詞のキチガイ感。
全編に渡ってラリってる歌詞なのに、この極上のロックでダンスなサウンドよ。今年の邦画を代表する1枚なのは間違いない。
「I'm a boy」と「ベン・ワットを聴いてた」だけで元とれる。
次点
Chance The Rapper、The Weeknd、Radiohead、THE BEATLES Live At Hollywood Bowl、青葉市子、Predawn、石野卓球、yahyel
読書ベスト(今年読んだもの)
1.アンネの日記 - アンネ・フランク
30目前までこの本を手にしなかった自分に驚愕。
ある意味青春もののドキュメンタリーとして、人類最大の負の遺産として。どんな偶然という運命が彼女にこれを書かせ、僕らに託したのだろう?
読破後の絶望感、それを知ってしまったらもう戻れない。
2.チェルノブイリの祈り - スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
放射能汚染が進む街で暮らす人々の息遣いを通して、人が生きていくために本当に必要なものを知る。絶望も希望も同じところから産まれる。
311を経た今の日本に必要な文学。
3.戦争は女の顔をしていない - スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
第2次世界大戦を生き抜いた女達の足跡。
戦争がどれほど悲惨で女性らしさ、人間らしさを奪っていくかが語られる。この世界の片隅にと同じく、これは英雄譚ではなく、名も無き小市民達が歩んだ戦争。
4.世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい - 森達也
マイノリティーを排除せず、共に暮らしていく道について説いたエッセイ集。
それも生きがいや哲学など大きな観点ではなく、日本での暮らしの中の小さな気づきに満ちた、優しい本。
5.黒檀 - リシャルト・カプシチンスキ
ルポルタージュ文学の世界最高傑作とも言われる、アフリカの人間と生活を綴った一冊。
その暮らしは血生臭くて、バイオレンスで、過酷で、その中で誰かと繋がり合い、踊り明かす日々。
6.キャッチ22 - ジョーゼフ・ヘラー
至高のキチガイディストピア文学。登場人物と背景のすべてが狂っていて、正気と狂気との狭間で生き延びる道を探すサバイバルな一作。
今年読んだフィクションでは一番。
7.通訳ダニエル・シュタイン - リュドミラ・ウリツカヤ
ルーマニアで生まれたユダヤ人が、イスラエルでキリスト教司祭となり人々に道を指し示す。
背景も登場人物達も一筋縄ではいかなくて面白い。
8.嘔吐 - サルトル
哲学系の重い話かと思ったら、意外と話の起承転結がしっかりしており、読破後も清々しい気分すら湧いてきた。ウィットに富んだフランス文学。
9.1941年。パリの尋ね人 - パトリック・モディアノ
名も無き人がこの世界から消えても、何らかの足跡は残る。そしてそれを拾う人もいる。
文学の大いなる可能性に満ち溢れたノンフィクション。短いしカタルシスも特にない一作だけど、妙に心に残る。
10.アウステルリッツ - W・G・ゼーバルト
こちらも写実的な文体に写真を挿話して、文学としての在り方の幅を広げた幻想的な作品。
結局ノンフィクションではないので肩すかしな点は残るけど、「アウステルリッツ」という名が指す背景を考えると、そのメッセージとスケールに打ち負かされる。
ライブベスト
1. 小沢健二「魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ」@Zepp Nagoya
4年前と同様、心のベストテンのライブ第1位。
あれから半年以上経ってもまだ新曲達が心に残っている感触、これを魔法的と呼ぶ。
魅力とか力量とかそんなもんでない、存在自体がマジでファンタスティックな男、小沢健二。あの場に居合すことが出来て本当に幸運だった。
いつか絶望と希望が一緒になった世界へ!
2.上原ひろみ『SPARK』日本ツアー @愛知県芸術劇場 大ホール
ライブという場で、まだまだ人智を超えた体験を出来るものなのだなあ。
音源よりも想像よりも1億倍凄かった。
エモいとかロックとかではない、芸術の一言でもとても言い表せない。言葉を失う圧巻の空間。
3.Chara×韻シストBAND @森、道、市場2016
実は生Charaを観る機会にはじめて恵まれたのだけど、この森道の機会で本当に良かった。
日没の海沿いというロケーションで歌われるバンビ、やさしい気持ち、Swallowtail…
間違いなく一生モノでした。
4.FISHMANS TOUR“LONG SEASON 2016" @DIAMOND HALL
ダブとポップで踊り明かした3時間。
リアル世代でなくてもフィッシュマンズは本当に特別な音楽、脈々と受け継がれているアーバンミュージック系譜の原点を肌で感じられる時間。
最近のクラムボンより郁子が生き生きしてる…
5.コトリンゴ Live tour 2016「サンタも踊るよ冬の旅」 @名古屋陶磁器会館
名古屋の伝統的な建物に響く、世界の片隅の音楽。これまでと今この瞬間のコトリンゴの音楽が重なり合った素敵な空間でした。
片隅にの3曲は永遠の宝物。
1.この世界の片隅に
今まで観た邦画でベスト。
映像が、脚本が、音楽が、心に直接触れてくるようなのんの声が。その時代に生きる人々の生き様が。
時間は歴史となって、知ってしまっては戻れない、語り継がなければいけない声を教えてくれる。
今この日本に生きてこの作品に触れないことってある?120分の中に息づく、生きていくことのすべて。
2.FAKE
佐村河内守と森達也という胡散臭さのプロ同士がタッグを組んで、「人生の内、信じるに値するものとは何か?」を問いかけてくるドキュメンタリー。
僕らがこれまでの人生で信じていた概念はすべて破壊され、もう一度、身の回りの信頼について考えさせられる一作。
佐村河内の萌え映画としても普通に面白い。
3.ひそひそ星
園子温がガチでタルコフスキーの「鏡」を撮ったら。
人の生き死には影絵のようなものだ。 美しい星、美しい生活、ひそひそ声で語られるこの国の在り方について。
園の中でもベストに近い作品だと思うんだけど一切評価聞かないね!
4.リップヴァンウィンクルの花嫁
個人的にはFAKEと対になる映画。
嘘や事実は関係ない、自分が信じることを選択すればそれが「真実」であり、幸福に生きる唯一の方法なのだと教えてくれる。
黒木華と綾野剛とCoccoのアンサンブル最高すぎる。
岩井俊二第二の黄金期は止まらない。
5.兵士A
七尾旅人の2015年のライブ作品ながら、この映像と音楽とが語るメッセージは映画と何一つ変わらない。
旅人がガチの天才であり狂人であることを垣間見る3時間。
この作品以外で音源化されてない新曲のクオリティどれもが異常過ぎる。
6.シン・ゴジラ
庵野秀明が語る、震災後の日本へのアンサーソング。
彼が被災で傷ついたセンチメンタルな作品がQであり、遠い昔の日本を思った風立ちぬを経て、ゴジラとゴジラという災厄に立ち向かう人々の力を借りて生きる活力を取り戻した、3部作の最終章。
エンタメとしても普通に最高。
7.ロブスター
キチガイな世界観でキチガイ達が踊って生きる。
ゴダールのウィークエンドを思い出すブラックでシュールな笑い、後味の悪さとモヤモヤとが余韻を残す奇才ヨルゴス監督の本気。
今年の洋画1番。
8.レヴェナント
イニャリトゥ×プリオ×ルベツキのアンサンブルが成す極上の映画体験。
教授の仰々しい音楽ありプリオ劇場あり熊ちゃんありで見所多すぎ。
その中でイニャリトゥの作家性も過去最高に出てて、彼の過去作の中でもトップクラスの出来。
9.ザ・ビートルズ THE EIGHT DAYS A WEEK
人類史上最大のバンドが残した軌跡。
全人類の音楽の進化を引き受けるには、4人という個人のキャパではどうしようもなかったお話だ。
劇中に流れる音楽は勿論どれも最高だが、最後に屋上で清々しく歌うジョンの姿が忘れられない。
10.サウルの息子
アウシュビッツの有り様をゾンダーコマンドの1人称視点で撮った恐るべき映画。
その着眼点と編集には、他のどんな映画も寄せ付けない存在感がある。
さあ、あの眼差しと目が合ってしまった「サウルの息子」である僕らはこの先、何を語り継いで生きていくべきなのか?
音楽ベスト
1.Blonde - Frank Ocean
R&Bという枠組みをとうに越え、人類が迎えた新たな到達点。どの曲もどんなシーンに合う極上の音楽、居心地良すぎる。
歌モノもどれも最高だけど、1番好きなのは「Be Yourself」と「Futura Free」のトラック。
宇宙から聴くラジオのような温かみ、「ゼロ・グラビティ」観ながら聴きたい。
2.Fantôme - 宇多田ヒカル
R&B要素を復帰させつつ、独自の音楽性をより深化させ帰ってきたヒカル。
道もともだちも通り雨も忘却も、そして桜流しもトラック良すぎる。
死は別れではない、見えなくなっただけでそこにいるとハッキリと語り上げる。
いつか死ぬとき手ぶらがベスト。
3.この世界の片隅に オリジナルサウンドトラック - コトリンゴ
まず、この傑作のサントラをコトリンゴが成し遂げたという事実が嬉しすぎる。
「すずさん」の音色が優しすぎて染みる。
「悲しくてやりきれない」は、2016年のベストトラックなのは言わずもがな。
4.天声ジングル - 相対性理論
自分の中で相対性理論がここまで大きな存在になるとは誰が予測できたか。
えつこの声とSFの親和性があまりにも高すぎて、最高のSF・ロックアルバムが生み出されてしまった。
ケルベロス→ウルトラソーダの流れが中毒性ありすぎる上に泣ける。
5.SPARK - 上原ひろみ featuring Anthony Jackson & Simon Phillips
「VOICE」の時にはそこまでハマらなかったんだけど、むちゃくちゃ進化してて1曲めのSparkで一瞬で虜になってしまった。
アルバムだけでも凄いんだけど、これでもライブの迫力の100分の1にも届いていないという事実、、!
6.22,A Million - Bon Iver
エレクトロあり、北欧あり、つまり何でもありで個人的には2ndよりもポップで馴染みやすかった作品。どのトラックも破壊力あったり癒されたり振れ幅最高。
むちゃくちゃライブ観たいな。
7.META - METAFIVE
稀代の才能が集結した21世紀のYMO。
ロックアルバムにしては人材がオーバーワークすぎないかと思いつつ曲のクオリティはほぼ最強。なんだかんだドンムー最強。
ミニアルバムは意外と旨味のない曲達でこのフルアルバムでやりたいこと詰め込んだんだなって感じはする。また会おう!
8.Sing with me - 坂本美雨 with CANTUS
長年就寝前に聴いていたカヒミの「NUKKI」から、その役目を奪ったアルバム。
聴いた回数だけなら今年1番。
20分程度ながら子守唄としての完成度がハンパない。美雨が歌う「星めぐりの歌」を聴ける時代が来るとはねえ。
9.The Colour in Anything - James Blake
ジェイムスも2ndより今年の1枚のが好き。
1stのあのビートが帰ってきた!!曲数ばかり多くてとりとめなくても、一部のダンストラックの破壊力だけであまりある。
Bon Iverとスプリットツアーとかやってくれまいか。。
10.DANCE TO YOU - サニーデイ・サービス
「きみがいないことは きみがいることだなぁ」という歌詞のキチガイ感。
全編に渡ってラリってる歌詞なのに、この極上のロックでダンスなサウンドよ。今年の邦画を代表する1枚なのは間違いない。
「I'm a boy」と「ベン・ワットを聴いてた」だけで元とれる。
次点
Chance The Rapper、The Weeknd、Radiohead、THE BEATLES Live At Hollywood Bowl、青葉市子、Predawn、石野卓球、yahyel
読書ベスト(今年読んだもの)
1.アンネの日記 - アンネ・フランク
30目前までこの本を手にしなかった自分に驚愕。
ある意味青春もののドキュメンタリーとして、人類最大の負の遺産として。どんな偶然という運命が彼女にこれを書かせ、僕らに託したのだろう?
読破後の絶望感、それを知ってしまったらもう戻れない。
2.チェルノブイリの祈り - スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
放射能汚染が進む街で暮らす人々の息遣いを通して、人が生きていくために本当に必要なものを知る。絶望も希望も同じところから産まれる。
311を経た今の日本に必要な文学。
3.戦争は女の顔をしていない - スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
第2次世界大戦を生き抜いた女達の足跡。
戦争がどれほど悲惨で女性らしさ、人間らしさを奪っていくかが語られる。この世界の片隅にと同じく、これは英雄譚ではなく、名も無き小市民達が歩んだ戦争。
4.世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい - 森達也
マイノリティーを排除せず、共に暮らしていく道について説いたエッセイ集。
それも生きがいや哲学など大きな観点ではなく、日本での暮らしの中の小さな気づきに満ちた、優しい本。
5.黒檀 - リシャルト・カプシチンスキ
ルポルタージュ文学の世界最高傑作とも言われる、アフリカの人間と生活を綴った一冊。
その暮らしは血生臭くて、バイオレンスで、過酷で、その中で誰かと繋がり合い、踊り明かす日々。
6.キャッチ22 - ジョーゼフ・ヘラー
至高のキチガイディストピア文学。登場人物と背景のすべてが狂っていて、正気と狂気との狭間で生き延びる道を探すサバイバルな一作。
今年読んだフィクションでは一番。
7.通訳ダニエル・シュタイン - リュドミラ・ウリツカヤ
ルーマニアで生まれたユダヤ人が、イスラエルでキリスト教司祭となり人々に道を指し示す。
背景も登場人物達も一筋縄ではいかなくて面白い。
8.嘔吐 - サルトル
哲学系の重い話かと思ったら、意外と話の起承転結がしっかりしており、読破後も清々しい気分すら湧いてきた。ウィットに富んだフランス文学。
9.1941年。パリの尋ね人 - パトリック・モディアノ
名も無き人がこの世界から消えても、何らかの足跡は残る。そしてそれを拾う人もいる。
文学の大いなる可能性に満ち溢れたノンフィクション。短いしカタルシスも特にない一作だけど、妙に心に残る。
10.アウステルリッツ - W・G・ゼーバルト
こちらも写実的な文体に写真を挿話して、文学としての在り方の幅を広げた幻想的な作品。
結局ノンフィクションではないので肩すかしな点は残るけど、「アウステルリッツ」という名が指す背景を考えると、そのメッセージとスケールに打ち負かされる。
ライブベスト
1. 小沢健二「魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ」@Zepp Nagoya
4年前と同様、心のベストテンのライブ第1位。
あれから半年以上経ってもまだ新曲達が心に残っている感触、これを魔法的と呼ぶ。
魅力とか力量とかそんなもんでない、存在自体がマジでファンタスティックな男、小沢健二。あの場に居合すことが出来て本当に幸運だった。
いつか絶望と希望が一緒になった世界へ!
2.上原ひろみ『SPARK』日本ツアー @愛知県芸術劇場 大ホール
ライブという場で、まだまだ人智を超えた体験を出来るものなのだなあ。
音源よりも想像よりも1億倍凄かった。
エモいとかロックとかではない、芸術の一言でもとても言い表せない。言葉を失う圧巻の空間。
3.Chara×韻シストBAND @森、道、市場2016
実は生Charaを観る機会にはじめて恵まれたのだけど、この森道の機会で本当に良かった。
日没の海沿いというロケーションで歌われるバンビ、やさしい気持ち、Swallowtail…
間違いなく一生モノでした。
4.FISHMANS TOUR“LONG SEASON 2016" @DIAMOND HALL
ダブとポップで踊り明かした3時間。
リアル世代でなくてもフィッシュマンズは本当に特別な音楽、脈々と受け継がれているアーバンミュージック系譜の原点を肌で感じられる時間。
最近のクラムボンより郁子が生き生きしてる…
5.コトリンゴ Live tour 2016「サンタも踊るよ冬の旅」 @名古屋陶磁器会館
名古屋の伝統的な建物に響く、世界の片隅の音楽。これまでと今この瞬間のコトリンゴの音楽が重なり合った素敵な空間でした。
片隅にの3曲は永遠の宝物。
新譜紹介・音楽ニュース 他
はてなブログ作りました。
当ブログを開設してなんと9年が経ってしまい、その間に自分の生活環境やネットとリアルとの関係性に相当な変化があったので‥今更ながらはてなブログを開設しました!
気ままな生活
http://freewalk.hatenablog.com/
フェリーニの甘い生活+freewalkin'の意訳+小沢健二のLIFEからの適当なトリプルミーニングでつけました。
ブログやTwitterとnoteの中間のサービスを探してたら、スマホで更新メインにしたかったのではてブに。Twitterは進化の果てが思わせぶりな自己顕示会場みたいになってきてTLとか読むの疲れてきた。
と言うことでこのブログは残しますが、映画や音楽などの記事のメインははてブになります。
よろしければ引き続きお願いします!
気ままな生活
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と言うことでこのブログは残しますが、映画や音楽などの記事のメインははてブになります。
よろしければ引き続きお願いします!
戯言
2015年総括
2015年の映画・音楽・ライブ・読書についてまとめました。
【映画】
1. マッドマックス 怒りのデスロード (爆音上映)
- 英雄の館、立川シネマシティまで観に行ったこちらが年間ベスト。
シートが震えるほどの極上爆音、巨大なスクリーンに3Dを切る潔さ。これこそFury Roadを爆走するのに相応しい場所はありません!
2. マッドマックス 怒りのデスロード (IMAX3D)
- 爆音上映がなければ最適解となり得る環境。3Dを除けば映像は圧倒的にこちらが上で、音響も文句なし。
何より日本語主題歌をなかったことにしてくれるのはIMAXだけ!2回観に行きました。
3. マッドマックス 怒りのデスロード (4DX)
- MX4Dよりも本家本元4DX。それも現行最新で最強の型の大垣コロナで観てきました。
内臓に支障が出そうなほど激しすぎるクラッシュは勿論、大垣はスクリーンがちゃんと大きいのも高ポイント。
4. マッドマックス 怒りのデスロード (2D字幕)
- なんだかんだ言ってデスロードは人生讃歌の内容が素晴らしいので、どんな環境で観ても最高だし泣くんですけどね。
こちらで4回、Fury Roadは計7回ひた走りました。
この映画の唯一にして最大の難点といえば、面白すぎるので他の映画を楽しめるハードルがめちゃくちゃ上がってしまったこと…。
5. EDEN
- フレンチハウスに人生の諸行無常を重ねた作品で、クラブに興味なければ用なし、僕はこのブログの8年間の歩み通り
ハウスとヒップホップが音楽を聴きはじめるにあたっての礎なので、エンドロールのHappy Songで泣きました。あとルイーズかわいい。
6. 神々のたそがれ
- 劇場公開作が多かったロシア映画の中でも一際インパクトがありすぎる怪作。ありすぎてドキュメンタリーまで作られた。
排泄物にまみれ文化が失われた世界でも、普遍的な愛は生まれ、摘まれるという話。マッドマックスとテーマが近似しているのがいかにも今年らしい。
7. プリデスティネーション
- ガタカ×でSFを、ビフォアと6ボクで時をかける中年となったイーサン・ホークのタイムリープもの。
鑑賞後に思い直せばシナリオ自体は非常にシンプルながら、あくまで短編である原作を丁寧に味付けした演出が光る。濃密な印象の作品。
8. サンドラの週末
- 貧困な小市民の生活を描いたダルデンヌ兄弟の中でも、鑑賞しやすく、僕らでもテーマに寄り添い作品。
自分のボーナスか同僚のクビか?いい意味でスケールが小さく、その中で考えさせられる点は非常に多い。とっても良作。
9. ゼロの未来
- これをベスト10に入れてるヒトほとんど観ないんですが 笑 21世紀版の未来世紀ブラジル、人と人との繋がりはダクトから光回線に変わっても、
尚孤独に生きる中年男性から、他者と繋がる人生とは、認められるとは何か?を問う話。レディへのCreepが流れるエンドロールに涙。
10. 花とアリス殺人事件
- 今年不作すぎる邦画から唯一のランクイン、しかもアニメ!しかも前日譚!岩井俊二がアニメという場で完全復活を果たすとは誰が予想できたろう。
2次元のスクリーンで走り回る2人の挙動はどっからどう観ても花とアリス。
厨二病ということなのか、主役2人の病的なファザコン×ストーカーっぷりはなぜか高校生時代よりも悪化している。来年の公開作も期待してます!
【音楽】
1. In Colour - Jamie xx
- 2015はこれでしょう。シンプルでエレガント、しかもキャッチーというこれまでの電子音楽の総決算のような出来栄え。
それでいて優等生にありがちな退屈さはないんだから草も生えない。イヤホンで聴くと音像の心地よさに感動する。
正直The XXは関心なかったんだけどそれでも一気に持ってかれました。
前編通して最高なんだけど、単体ならやはり先行曲であるSleep Sound、Loud Places、Girlあたり素晴らしい。
2. Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit - Courtney Barnett
- もう一人の2015の顔。メロディー、リズム、ボーカル、ギター、顔。全部ヘロヘロしてて全く掴みどころがなく、
何をしでかすかわからない最高のグランジロック。やはりM-1→M-2の流れが至高ですね。
サウンドから思春的な鬱憤を感じるからか、なぜかギター女子的な扱いをされることが多いけど、wiki読んだら28歳既婚者で草。
3. EDEN soundtrack
- 僕らが好きだったガラージハウスがぎっしり。CDは輸入盤しか存在しないため現在は入手困難なようですが、
iTSならそれよりも収録曲も多く1000円台と安価なため妥協できます。フレンチハウスはダフパンだけのものじゃない!
4時間の間踊り続けられます。
4. Sufjan Stevens - Carrie&Lowell
- 人肌恋しくなるフォークサウンド。温もりのあるアコースティックな味わいは、この冬に聴くのにピッタリではないでしょうか。
オススメされていたので今更聴いたのですが、いやあとんでもなかったです。
5. Music Complete - New Order
- まさかこのご時世にニューオーダーが捨て曲なしのアルバムを出すなんて。
一時代を築いたテクノアーティスト達は、EDMに流されることなく自己を貫いていて皆カッコいい。
ケミと組んだTutti Fruttiが、ケミの新譜のどの曲よりもキャッチーで、彼らの本領を感じました。
6. hollow world - ぼくのりりっくのぼうよみ
- 話題になってたから聴いてみたら彼はガチで大物ラッパーの器だ。きめ細やかなトラックが非常にいい働きをしているのは
勿論ながら、そこに乗っかる彼のリズム感は、年齢関係なく天性の才能を感じます。
ただ先行曲であるパッチワークの狙った感は個人的にはいただけないので、スタッフは今後、色を出し過ぎないことを願います。。
7. D'angelo and the Vanguard - Black Messiah
- 本来は去年発売でしたが、サマソニ良かったので…。ただソウルを普段まったく聴かない自分でもライブにこそ圧倒されたので、
やはり生で観たい思いは強い。
8. God Help the Girl soundtrack
- 映画の内容は安っぽい大二病体質で乗りきれなかったですが、Belle and Sebastianの音楽と、エミリー・ブラウニングの
歌声に乗るミュージカルシーンはとても好きなのです。I'll Have To Dance With Cassieが一番好き。
9. REFLECTION{Naked} - Mr.Children
- Nakedは曲数も多い分まとまりがない上に半分は捨て曲ですが、ディスカバやQの頃とはまた一味違う、円熟した、
いや若返った!?バンドとしての勢いが十二分に感じられ、ここ10年来の鬱憤を晴らしてます。
コバタケ切ったらあまりに簡単に傑作出てきて草。街の風景と運命が良すぎる。
10. Mad Max : Fury Road soundtrack - Junkle XL
- 怒りのデスロードがなぜ素晴らしいかというと音楽も素晴らしすぎるから。Brothers In Arms(谷戦でかかる曲)は
今年一番の名曲だと思います。
【ライブ】
1. Summer Sonic 2015
- 一番良かったのは念願のThe Chemical Brothers(の片割れ)!たかが電子音楽、たかがテクノになぜ人は感動し
涙をながすのか?星空の下でのSwoon→Star Guitarの流れには生命の始まりすら感じた。
次点でD'angelo、こちらは人の手による人智を超えたパフォーマンス。
今年は各ヘッダー以外小粒で時間が余ることも多かったですが、トム・ヨークもファレルも観れてお得感はありました。
ベストアクトと称されるZeddの時に会場外で喋ってたのもいい思い出。曲知らんし!
2. 相対性理論 〈回折II〉 @ Zepp Nagoya
- 今年の頭に観たけど、結局単体ではこのライブが一番良かった。理論ってメンバー再人事前からこんな凄まじいステージやってるの?
TOWN AGEが好きすぎるのもあるけど、西浦不在の穴を埋めて余りある怒涛のツインドラムに、
救心の映像パフォーマンス、LOVEずっきゅんとスマトラのアンセムぶりはどうだ。
日本で最高のロックバンドはくるりだけど、最強のロックバンドは彼女らだ!
3. 森、道、市場 2015
- 小雨の降る中で市子と雨を演るという最高のセッションをしてみせたクラムボンや、満を持してベストなセトリで最高なパフォーマンスを
魅せてくれた□□□も最高だったんだけど、どうしても心に残っているのはなぜかサニーデイサービスだったりする…。
それも恋に落ちたら、スローライダー、若者たち、青春狂騒曲というただの定番である古い神曲をやるという、普通のライブだったんだけど、
その普遍さが何よりも素晴らしいという。今年このタイミングで観れて本当に良かったし、はじめて観るインパクトってやはり相当なのだなと。
4. 七尾旅人と青葉市子 @ 千種文化小劇場
- 待望のツーマンがなぜかここ名古屋で実現。ブッキンググッジョブ!歌を、物語を、人生を歌い語り継ぐシンガーソングライターという覚悟と
生き様を目の当たりにした、ライブ3時間トーク1時間に渡る壮大な時間でした。旅人のぼくらのひかりと兵士Aくんの歌は
聴くことができて良かったし、2人のわたしの赤ちゃんのセッションも市子の旅人カバーもなんなら市子の1曲目の新曲でもう泣いたし。
5. Mr.Children 未完ツアー
- ライジング以来7年ぶりのミスチルか?聴きたい曲はまだまだあったとはいえ30曲近いセトリで大満足。
何よりミスチルというバンドが今健全な状態であることが分かって微笑ましかった。
運命、and I Love You→タガタメ、ALIVE、進化論で泣いた。Zepp対バンツアーのが神セトリ?言うな。
【読書】※今年読んだもの
1. 流れる星は生きている - 藤原てい
- 今年読んで一番の衝撃。日本文学の中でもこころ・細雪に肩を並ぶほどの怪作です。しかもノンフィクション。
絶望と貧困に駆られながらも、一人の母親が、女性が、人間がただただ生きるということ。どんな人にも読んでほしい。
2. 思考の整理学 - 外山滋比古
- ブック●フで100円で買ったのにこの得る物の多さ!人が何をどう考えて生きるのか、余すことなく書いてあります。
書かれていることはシンプルで難解さはなく、面白く読めるのでオススメです。
3. 自由への逃走 - エーリッヒ・フロム
- 愛するということより多少冗長な感はあったけど、人がありのままで生きるための指針として大いに役立つ一冊です。
4. 読書力 - 齋藤孝
- 読書から生きる力を学ぶ本。本をどう読めば人間の資産となるのか、日本人が読書を重視したのはなぜか、
答えが書いてあります。
5. 1984 - ジョージ・オーウェル
- 初読みでしたが最低でした。最低のバッドエンド。管理化社会によるディストピアはいつの時代に生きる人間にも
警告を与え続ける。
6. 陰翳礼讃 - 谷崎潤一郎
- 頑固ジジイの説教部屋。しかし盲目に昔はよかったと愚痴るだけではなく、和洋の差異の中から、古来からの日本式が
より優れている美点を明確に映し出す。日本と日本語に誇りを持てる美文。
7. ロリータ - ウラジーミル・ナボコフ
- 表現力豊かなロリペド犯罪者ハンバート・ハンバートとロリータの愉快なロードムービー。クソビッチ・ドリーの
「人生ってそういうもんじゃないの」という悪びれもない、しかし人生に諦めた一言が鮮明に心に残る。
8. 冗談 - ミラン・クンデラ
- 存在の耐えられない軽さの前身として真っ当な小説。自意識高すぎる若者が落ちていく様が生々しく、
身に覚えがあるといたたまれなさすぎる、、
9. 良心をもたない人たち - マーサ・スタウト
- サイコパスの定義を心理学的に解明した本。社会的に成功不成功関わらず、自己の目的の達成にしか関心を持てない
人間は一定数存在するのだ、と書いてある本。
10. インド夜想曲 - アントニオ・タブッキ
- 初読み。旅行記であり叙述トリックでもある、想像力と創造力を試されるファンタジー本。読後の妙な余韻は読書ならではだ。
2016年も(更新するかわからないけど)よろしくお願いします。
【映画】
1. マッドマックス 怒りのデスロード (爆音上映)
- 英雄の館、立川シネマシティまで観に行ったこちらが年間ベスト。
シートが震えるほどの極上爆音、巨大なスクリーンに3Dを切る潔さ。これこそFury Roadを爆走するのに相応しい場所はありません!
2. マッドマックス 怒りのデスロード (IMAX3D)
- 爆音上映がなければ最適解となり得る環境。3Dを除けば映像は圧倒的にこちらが上で、音響も文句なし。
何より日本語主題歌をなかったことにしてくれるのはIMAXだけ!2回観に行きました。
3. マッドマックス 怒りのデスロード (4DX)
- MX4Dよりも本家本元4DX。それも現行最新で最強の型の大垣コロナで観てきました。
内臓に支障が出そうなほど激しすぎるクラッシュは勿論、大垣はスクリーンがちゃんと大きいのも高ポイント。
4. マッドマックス 怒りのデスロード (2D字幕)
- なんだかんだ言ってデスロードは人生讃歌の内容が素晴らしいので、どんな環境で観ても最高だし泣くんですけどね。
こちらで4回、Fury Roadは計7回ひた走りました。
この映画の唯一にして最大の難点といえば、面白すぎるので他の映画を楽しめるハードルがめちゃくちゃ上がってしまったこと…。
5. EDEN
- フレンチハウスに人生の諸行無常を重ねた作品で、クラブに興味なければ用なし、僕はこのブログの8年間の歩み通り
ハウスとヒップホップが音楽を聴きはじめるにあたっての礎なので、エンドロールのHappy Songで泣きました。あとルイーズかわいい。
6. 神々のたそがれ
- 劇場公開作が多かったロシア映画の中でも一際インパクトがありすぎる怪作。ありすぎてドキュメンタリーまで作られた。
排泄物にまみれ文化が失われた世界でも、普遍的な愛は生まれ、摘まれるという話。マッドマックスとテーマが近似しているのがいかにも今年らしい。
7. プリデスティネーション
- ガタカ×でSFを、ビフォアと6ボクで時をかける中年となったイーサン・ホークのタイムリープもの。
鑑賞後に思い直せばシナリオ自体は非常にシンプルながら、あくまで短編である原作を丁寧に味付けした演出が光る。濃密な印象の作品。
8. サンドラの週末
- 貧困な小市民の生活を描いたダルデンヌ兄弟の中でも、鑑賞しやすく、僕らでもテーマに寄り添い作品。
自分のボーナスか同僚のクビか?いい意味でスケールが小さく、その中で考えさせられる点は非常に多い。とっても良作。
9. ゼロの未来
- これをベスト10に入れてるヒトほとんど観ないんですが 笑 21世紀版の未来世紀ブラジル、人と人との繋がりはダクトから光回線に変わっても、
尚孤独に生きる中年男性から、他者と繋がる人生とは、認められるとは何か?を問う話。レディへのCreepが流れるエンドロールに涙。
10. 花とアリス殺人事件
- 今年不作すぎる邦画から唯一のランクイン、しかもアニメ!しかも前日譚!岩井俊二がアニメという場で完全復活を果たすとは誰が予想できたろう。
2次元のスクリーンで走り回る2人の挙動はどっからどう観ても花とアリス。
厨二病ということなのか、主役2人の病的なファザコン×ストーカーっぷりはなぜか高校生時代よりも悪化している。来年の公開作も期待してます!
【音楽】
1. In Colour - Jamie xx
- 2015はこれでしょう。シンプルでエレガント、しかもキャッチーというこれまでの電子音楽の総決算のような出来栄え。
それでいて優等生にありがちな退屈さはないんだから草も生えない。イヤホンで聴くと音像の心地よさに感動する。
正直The XXは関心なかったんだけどそれでも一気に持ってかれました。
前編通して最高なんだけど、単体ならやはり先行曲であるSleep Sound、Loud Places、Girlあたり素晴らしい。
2. Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit - Courtney Barnett
- もう一人の2015の顔。メロディー、リズム、ボーカル、ギター、顔。全部ヘロヘロしてて全く掴みどころがなく、
何をしでかすかわからない最高のグランジロック。やはりM-1→M-2の流れが至高ですね。
サウンドから思春的な鬱憤を感じるからか、なぜかギター女子的な扱いをされることが多いけど、wiki読んだら28歳既婚者で草。
3. EDEN soundtrack
- 僕らが好きだったガラージハウスがぎっしり。CDは輸入盤しか存在しないため現在は入手困難なようですが、
iTSならそれよりも収録曲も多く1000円台と安価なため妥協できます。フレンチハウスはダフパンだけのものじゃない!
4時間の間踊り続けられます。
4. Sufjan Stevens - Carrie&Lowell
- 人肌恋しくなるフォークサウンド。温もりのあるアコースティックな味わいは、この冬に聴くのにピッタリではないでしょうか。
オススメされていたので今更聴いたのですが、いやあとんでもなかったです。
5. Music Complete - New Order
- まさかこのご時世にニューオーダーが捨て曲なしのアルバムを出すなんて。
一時代を築いたテクノアーティスト達は、EDMに流されることなく自己を貫いていて皆カッコいい。
ケミと組んだTutti Fruttiが、ケミの新譜のどの曲よりもキャッチーで、彼らの本領を感じました。
6. hollow world - ぼくのりりっくのぼうよみ
- 話題になってたから聴いてみたら彼はガチで大物ラッパーの器だ。きめ細やかなトラックが非常にいい働きをしているのは
勿論ながら、そこに乗っかる彼のリズム感は、年齢関係なく天性の才能を感じます。
ただ先行曲であるパッチワークの狙った感は個人的にはいただけないので、スタッフは今後、色を出し過ぎないことを願います。。
7. D'angelo and the Vanguard - Black Messiah
- 本来は去年発売でしたが、サマソニ良かったので…。ただソウルを普段まったく聴かない自分でもライブにこそ圧倒されたので、
やはり生で観たい思いは強い。
8. God Help the Girl soundtrack
- 映画の内容は安っぽい大二病体質で乗りきれなかったですが、Belle and Sebastianの音楽と、エミリー・ブラウニングの
歌声に乗るミュージカルシーンはとても好きなのです。I'll Have To Dance With Cassieが一番好き。
9. REFLECTION{Naked} - Mr.Children
- Nakedは曲数も多い分まとまりがない上に半分は捨て曲ですが、ディスカバやQの頃とはまた一味違う、円熟した、
いや若返った!?バンドとしての勢いが十二分に感じられ、ここ10年来の鬱憤を晴らしてます。
コバタケ切ったらあまりに簡単に傑作出てきて草。街の風景と運命が良すぎる。
10. Mad Max : Fury Road soundtrack - Junkle XL
- 怒りのデスロードがなぜ素晴らしいかというと音楽も素晴らしすぎるから。Brothers In Arms(谷戦でかかる曲)は
今年一番の名曲だと思います。
【ライブ】
1. Summer Sonic 2015
- 一番良かったのは念願のThe Chemical Brothers(の片割れ)!たかが電子音楽、たかがテクノになぜ人は感動し
涙をながすのか?星空の下でのSwoon→Star Guitarの流れには生命の始まりすら感じた。
次点でD'angelo、こちらは人の手による人智を超えたパフォーマンス。
今年は各ヘッダー以外小粒で時間が余ることも多かったですが、トム・ヨークもファレルも観れてお得感はありました。
ベストアクトと称されるZeddの時に会場外で喋ってたのもいい思い出。曲知らんし!
2. 相対性理論 〈回折II〉 @ Zepp Nagoya
- 今年の頭に観たけど、結局単体ではこのライブが一番良かった。理論ってメンバー再人事前からこんな凄まじいステージやってるの?
TOWN AGEが好きすぎるのもあるけど、西浦不在の穴を埋めて余りある怒涛のツインドラムに、
救心の映像パフォーマンス、LOVEずっきゅんとスマトラのアンセムぶりはどうだ。
日本で最高のロックバンドはくるりだけど、最強のロックバンドは彼女らだ!
3. 森、道、市場 2015
- 小雨の降る中で市子と雨を演るという最高のセッションをしてみせたクラムボンや、満を持してベストなセトリで最高なパフォーマンスを
魅せてくれた□□□も最高だったんだけど、どうしても心に残っているのはなぜかサニーデイサービスだったりする…。
それも恋に落ちたら、スローライダー、若者たち、青春狂騒曲というただの定番である古い神曲をやるという、普通のライブだったんだけど、
その普遍さが何よりも素晴らしいという。今年このタイミングで観れて本当に良かったし、はじめて観るインパクトってやはり相当なのだなと。
4. 七尾旅人と青葉市子 @ 千種文化小劇場
- 待望のツーマンがなぜかここ名古屋で実現。ブッキンググッジョブ!歌を、物語を、人生を歌い語り継ぐシンガーソングライターという覚悟と
生き様を目の当たりにした、ライブ3時間トーク1時間に渡る壮大な時間でした。旅人のぼくらのひかりと兵士Aくんの歌は
聴くことができて良かったし、2人のわたしの赤ちゃんのセッションも市子の旅人カバーもなんなら市子の1曲目の新曲でもう泣いたし。
5. Mr.Children 未完ツアー
- ライジング以来7年ぶりのミスチルか?聴きたい曲はまだまだあったとはいえ30曲近いセトリで大満足。
何よりミスチルというバンドが今健全な状態であることが分かって微笑ましかった。
運命、and I Love You→タガタメ、ALIVE、進化論で泣いた。Zepp対バンツアーのが神セトリ?言うな。
【読書】※今年読んだもの
1. 流れる星は生きている - 藤原てい
- 今年読んで一番の衝撃。日本文学の中でもこころ・細雪に肩を並ぶほどの怪作です。しかもノンフィクション。
絶望と貧困に駆られながらも、一人の母親が、女性が、人間がただただ生きるということ。どんな人にも読んでほしい。
2. 思考の整理学 - 外山滋比古
- ブック●フで100円で買ったのにこの得る物の多さ!人が何をどう考えて生きるのか、余すことなく書いてあります。
書かれていることはシンプルで難解さはなく、面白く読めるのでオススメです。
3. 自由への逃走 - エーリッヒ・フロム
- 愛するということより多少冗長な感はあったけど、人がありのままで生きるための指針として大いに役立つ一冊です。
4. 読書力 - 齋藤孝
- 読書から生きる力を学ぶ本。本をどう読めば人間の資産となるのか、日本人が読書を重視したのはなぜか、
答えが書いてあります。
5. 1984 - ジョージ・オーウェル
- 初読みでしたが最低でした。最低のバッドエンド。管理化社会によるディストピアはいつの時代に生きる人間にも
警告を与え続ける。
6. 陰翳礼讃 - 谷崎潤一郎
- 頑固ジジイの説教部屋。しかし盲目に昔はよかったと愚痴るだけではなく、和洋の差異の中から、古来からの日本式が
より優れている美点を明確に映し出す。日本と日本語に誇りを持てる美文。
7. ロリータ - ウラジーミル・ナボコフ
- 表現力豊かなロリペド犯罪者ハンバート・ハンバートとロリータの愉快なロードムービー。クソビッチ・ドリーの
「人生ってそういうもんじゃないの」という悪びれもない、しかし人生に諦めた一言が鮮明に心に残る。
8. 冗談 - ミラン・クンデラ
- 存在の耐えられない軽さの前身として真っ当な小説。自意識高すぎる若者が落ちていく様が生々しく、
身に覚えがあるといたたまれなさすぎる、、
9. 良心をもたない人たち - マーサ・スタウト
- サイコパスの定義を心理学的に解明した本。社会的に成功不成功関わらず、自己の目的の達成にしか関心を持てない
人間は一定数存在するのだ、と書いてある本。
10. インド夜想曲 - アントニオ・タブッキ
- 初読み。旅行記であり叙述トリックでもある、想像力と創造力を試されるファンタジー本。読後の妙な余韻は読書ならではだ。
2016年も(更新するかわからないけど)よろしくお願いします。